IPsecは、拠点間や機器間に暗号化トンネルを張って、途中の経路で読まれない・改ざんされないようにする仕組みです。ポイントは2段構え。まずIKEで「お互い本物か」を確認して共通鍵を安全に決め、次にESPがその鍵で本データを暗号化して運びます。「鍵を決める工程」と「本通信の工程」が分かれているのが核です。
先に押さえる
暗号化には共通鍵が要りますが、その鍵を安全に共有すること自体が難所です。IPsecはそこをIKE(鍵交換)に任せ、相互認証(事前共有鍵や証明書)をしたうえで鍵を確立。本データはESPが暗号化・カプセル化して送ります。役割が「鍵決め=IKE」「本通信=ESP」で分かれている、と押さえます。
2段のトンネル確立
1IKE:相互認証して管理用の安全な路と鍵を作る
拠点Aの機器
↓相互認証(事前共有鍵/証明書)→ 共通鍵を確立
拠点Bの機器
2ESP:その鍵で本データを暗号化して運ぶ
拠点Aの端末
↓元のパケットごと暗号化して包む(カプセル化)
A機器 → B機器暗号化トンネル(ESP)経路上は中身が見えない
↓B側でほどいて元の宛先へ
拠点Bの端末
拠点間VPNではトンネルモードを使い、元のIPパケットまるごとを暗号化して新しいIPで包みます。だから途中の経路からは、中の本当の送信元・宛先も中身も見えません。
動きで見る
まずIKEで鍵を決めてから、本文を暗号化・カプセル化して公衆網を渡し、相手側で復号する2段の流れが見えます。(図は横スクロールできます)
見抜きどころ
核は「鍵を決めるIKE → 本通信を守るESP」の2段。設問では「なぜ2フェーズに分かれるか(=鍵の安全な確立が先)」「相互認証の方法(事前共有鍵か証明書か)」「トンネルモードで何が隠れるか(=元のIPごと)」が問われます。暗号化そのものより、鍵をどう安全に配ったかに目を向けると筋が通ります。
つまずきやすい
IKE(鍵決め)とESP(本通信)は別の工程で、混同しないこと。また、途中にNATがあるとIPsecは影響を受けやすく、越えるための工夫(NATトラバーサル)が要ります。「暗号は強いのに、鍵交換や経路の都合でつながらない」型の設問に注意。