複数のルータがある社内で、「どの道を通れば最短で届くか」を自動で決めるのが経路制御です。OSPFは、各ルータが自分の周りのリンク情報を全員に配り合い、全ルータが同じ地図(ネットワーク全体図)を持って、各自が最短経路を計算する方式(リンクステート型)。障害が起きたら地図を更新して再計算するので、素早く正しい経路に切り替わります。
各ルータは「自分につながっているリンクと、その良し悪し(コスト)」を広告し合います。受け取った情報を全員が集めると、全ルータが同一の地図を持てる。あとは各自がその地図からコストが最小の道を計算する——「地図を共有 → 各自最短計算」が核です。
地図を共有して各自が最短を出す
コストは基本的に帯域が太いほど小さくなるよう設計します。全員が全体像を持つので、ループになりにくく、障害時の収束も速いのが特徴です。規模が大きい時はエリアに分けて情報量を抑えます。
動きで見る
3台のルータが隣接を確立→地図を同期→各自で最短計算→経路表に反映という順で、リンクステート型の動きが見えます。(図は横スクロールできます)
核は「全ルータが同じ地図を共有 → 各自がコスト最小を計算」。設問では「経路がどう決まるか(=コストの合計が最小)」「障害時になぜ素早く切り替わるか(=地図更新→再計算)」「コスト設計(帯域との関係)」が問われます。各ルータが全体像を持っている点が、うわさ伝聞型(距離ベクトル)との決定的な差です。
OSPFは「隣から聞いた距離をそのまま信じる」方式ではありません。全体地図を自分で持って計算するので、間違った経路(ループ)に陥りにくい。「最短」はホップ数ではなくコストの合計で決まる点、太い回線を優先させたいならコスト設計で誘導する点を落とさないのが急所です。
NW/SC向け:信頼と安定(認証・エリア・収束)
OSPFは「隣接を張った相手のLSAを信じて地図を作る」仕組みなので、誰と隣接するかとどこまでLSAを広げるかが信頼性の分かれ目です。NW/SC午後では、意図せぬ経路や不安定な収束の原因として狙われます。
攻撃・リスク
- 隣接の認証が無いと、不正なルータが隣接を張り偽のLSAを注入して経路を撹乱(中間者・遮断)。
- 利用者セグメントで不要にHelloを出すと、隣接を試みる攻撃面が増える。
- 広い単一エリアはLSA氾濫で収束が遅く、負荷が高く不安定になりやすい。
効く対策
- 隣接の認証で、正当なルータとだけ隣接する。
- passive-interfaceで、端末側インタフェースにはHelloを出さない。
- エリア分割でLSAの範囲と再計算の負荷を抑える。
- コストは帯域基準で設計し、意図した経路へ誘導する。
締め:午後では「なぜ意図せぬ経路になったか」「認証・エリア設計の狙い」が問われます。