VLANとトランク(タグVLAN)

技術の仕組み | ネットワークの基礎

← 技術の仕組み

VLANは、1台のスイッチ・1本のケーブルを、論理的に複数の別々のネットワークに分ける仕組みです。同じスイッチにつながっていても、VLANが違えば直接は通信できません(=ブロードキャストの届く範囲を分ける)。所属の区別はタグで行い、スイッチ間の1本のケーブルに複数VLANを相乗りさせるのがトランクです。

先に押さえる

ポートは2種類。アクセスポート=端末をつなぐ口で、1つのVLANに固定(タグは付けない)。トランクポート=スイッチ同士をつなぐ口で、フレームにVLAN番号のタグを付けて複数VLANを1本に流します。「どのVLANの通信か」をタグが運ぶ、が核です。

タグを付けて相乗り、外して届ける

1アクセス→トランク→アクセス
端末(VLAN10)
アクセスポート(タグなし)で受ける
スイッチA出口のトランクで VLAN10 のタグを付与
トランク1本に複数VLANが相乗り(タグ付き)
スイッチBタグを外し、同じVLAN10のポートへ
タグなしで端末へ
端末(VLAN10)

端末はタグを知りません。タグはスイッチ間だけで付く・外れるもの。だから同じトランクを流れても、VLAN10とVLAN20は混ざらず、それぞれ同じVLANの相手にしか届きません

動きで見る

アクセスポートで受けたフレームに、スイッチが所属VLANの「タグ」を付けてトランクへ流し、出口で外す様子を追えます。同じVLANの相手にだけ届くのが見えます。(図は横スクロールできます)

見抜きどころ

要は「タグで所属を運び、同じVLAN内だけで通信」。設問では「アクセスかトランクか(=タグの有無)」「異なるVLAN間はどう通信するか」「1本のケーブルに複数VLANを通せる理由」が問われます。同じスイッチでもVLANが違えば別ネットワーク、と割り切るのが起点です。

つまずきやすい

VLANをまたぐ通信には、L3の中継(ルータ/L3スイッチ)が必要です。VLANはあくまで「分ける」仕組みで、分けた者同士をつなぐには一段上(ルーティング)が要る。「同じスイッチにあるのに通じない=VLANが違うから、間にルータが要る」を落とさないのが急所です。

SC向け:VLANの壁を越える攻撃

VLANは物理ではなく論理で分けるため、設定ミスや仕様の悪用で「分けたはずの境界」が越えられることがあります。SC/NW午後では「セグメント分離が本当に効いているか」を問う出題が定番です。

攻撃・リスク

  • スイッチスプーフィング:自分をトランクに見せかけ、全VLANのタグ付きフレームを受け取る。
  • ダブルタグ:ネイティブVLAN(タグ無しで運ぶVLAN)を悪用し、外側タグが剥がれた後の内側タグで別VLANへ片方向に侵入。
  • 設定ミスによる意図せぬ越境。論理分割は物理分離より事故に弱い。

効く対策

  • 端末ポートはアクセス固定にし、トランク自動折衝(DTP)を無効化。
  • ネイティブVLANは実運用しない未使用VLANにし、可能ならタグ付けする。
  • 不要なVLANはトランクから除外する。
  • 同一VLAN内での分離はプライベートVLANで行う。

午後では「セグメント分離は本当に効いているか」「ネイティブVLAN/トランクの注意点」が問われます。分離の設計意図と、それを崩す設定ミス・仕様悪用の両面を押さえるのが判断軸です。

この仕組みを使う設問