似た名前でよく混ざりますが、役割は別です。変更管理は「変えてよいかを決める」手続き、構成管理は「今どれが正しい版かを保つ」仕組み。決めるだけで版を管理しなければ現物がずれ、版だけ管理して決め方が無ければ誰でも変えられる状態になります。
先に押さえる
出発点は基準にする版を決めることです。「この時点の仕様と設計を基準とする」と合意しておくと、以後の差分が変更として扱えます。基準が無いと、直したのか元からそうだったのかが区別できず、影響の見積りもできません。
変更が来たときの流れ
1受け付けてから、決めて、反映する
変更の要求誰が、何を、なぜ変えたいか
↓影響を調べる(費用・期間・品質・他機能への波及)
決める場権限のある人が、受ける・断る・保留を決めるここが関門
↓受けたものだけが計画と基準の版に反映される
構成管理版を上げ、関係する成果物を揃えて記録する
大事なのは「断る」も正しい結論だという点です。すべて受け入れると期間も費用も守れません。断った記録が残っていることが、後で「なぜ入っていないのか」に答える根拠になります。
つまずきポイント
事故が起きるのは影響調査を飛ばして先に直すときです。「小さな修正だから」と現場判断で入れた結果、他の機能が動かなくなる/試験のやり直しが発生する。設問はこの筋で出ます。もう1つは反映漏れで、プログラムだけ直して設計書が古いままだと、次に触る人が古い前提で作業します。
2つの役割を並べる
変更管理
- 目的:変えてよいかを決める
- 要るもの:影響の調査、決める権限、記録
- 失敗すると:無秩序に増えて期間と費用が膨らむ
構成管理
- 目的:今どれが正しい版かを保つ
- 要るもの:版の付与、変更履歴、成果物の対応関係
- 失敗すると:現物と文書がずれ、再現も切り戻しもできない
見抜きどころ
答案の芯は「決める前に影響を調べる」「決めたら関連する成果物をまとめて更新する」の2本です。問題文に「現場の判断で修正した」「設計書が更新されていなかった」と書かれていたら、それが不備の指摘箇所です。手続きの名前ではなく、抜けた1手を書くと点になります。
元に戻せる状態を保つ
構成管理のもう1つの価値は切り戻しです。どの版が動いていたかが分かり、その版一式を取り出せるなら、問題が起きたときにすぐ戻せます。逆に版が曖昧だと、原因調査の前に「今何が動いているのか」の確認から始めることになり、復旧が遅れます。