IPマルチキャスト

技術の仕組み | ネットワークの基礎

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同じ映像を大勢に配るとき、1人ずつ別々に送る(ユニキャスト)と人数分だけ回線を食います。マルチキャストは送信側は1回だけ送り、途中の分岐点で複製するので、視聴者が増えても各回線を流れる量は1本分のまま。この「どこで複製されるか」が全ての土台です。

先に押さえる

宛先は特定の1台ではなく「グループ」を表すアドレスです。受け手は「そのグループが欲しい」と自分から申告し、ネットワーク側は申告があった方向にだけ流します。つまり、送信側は誰が見ているかを知りません。誰に届けるかを決めているのは受け手の申告と、それを覚えている装置です。

動きで見る

1受け手が「欲しい」と申告する
視聴する端末グループへの参加を申告する
参加の申告(同じグループを見る端末はそれぞれ申告する)
最寄りのルータこの先に受け手がいると覚える
2配信は「分岐点で複製」される
配信サーバ1回だけ送る
受け手のいる方向へだけ流す
分岐するルータ必要な本数だけここで複製する上流の回線は1本分のまま
複数の視聴端末同じ内容を同時に受け取る
つまずきポイント

同じ区画(スイッチの中)では、何もしないと全ポートにばら撒かれます。宛先がグループなので、スイッチは「どのポートの先にいるか」を知らないからです。そこでスイッチが参加の申告を覗き見して、必要なポートにだけ流す仕組みを使います。これを入れ忘れると、見ていない端末にも映像が流れ続けて区画全体が詰まります。設問の定番の失敗です。

ユニキャストとの分かれ目

1人ずつ送る場合

  • 送信側の負荷と回線量が人数に比例する
  • 受け手ごとに別の内容を送れる(巻き戻しなど)
  • 途中の装置に特別な設定が要らない

マルチキャスト

  • 人数が増えても回線量が増えない
  • 全員が同じ内容を同時に見る用途に限られる
  • 経路上の装置すべてに対応と設定が要る
見抜きどころ

問われるのは「なぜ回線が太らないのか」「どこに設定が要るのか」の2点です。前者は分岐点で複製されるから。後者は受け手までの経路上すべてで、1台でも対応していないとそこで止まります。「配信サーバの負荷が下がる」だけを書くと弱く、途中の回線を流れる量が変わらないまで書くと強い答案になります。

配信が届かないときに見る所

切り分けは上流から順です。配信サーバは送っているか、経路のルータは受け手がいると認識しているか、区画のスイッチは必要なポートに絞れているか、端末は参加を申告しているか。どこまで届いていて、どこから届いていないかを1段ずつ確かめるのが定石で、この順序自体が設問になります。

つながる仕組み

区画の分け方← VLANとトランク 流す量の制御QoS(通信の優先制御)→

この仕組みを使う設問