遅れを取り戻す手段は大きく2つあります。資源を足して縮めるのと、順番にやる予定だったものを重ねるの。どちらもただでは縮みません。設問で問われるのは手段の名前ではなく、それぞれ何を代償に払うのかです。
先に押さえる
短縮が効くのは全体の期間を決めている経路の上だけです。余裕のある作業をいくら縮めても、終了日は動きません。だから最初にやるのはどの作業が終了日を決めているかの確認で、そこを外すと費用だけ払って効果がないという答案になります。
2つの手段と、その代償
資源を足して縮める
- やり方:人・設備を追加投入する
- 代償:費用が増える。教育の負荷も乗る
- 限界:分けられない作業には効かない
重ねて縮める
- やり方:順番にやる予定を一部並行にする
- 代償:手戻りの危険が増える(前工程が固まる前に始めるため)
- 限界:依存が強い工程には向かない
費用を出せる状況なら前者、費用は動かせないがやり直しのリスクを取れるなら後者。問題文には予算の制約か品質・手戻りへの懸念のどちらかが必ず書かれていて、それが選択の根拠になります。
つまずきポイント
短縮を続けると、これまで余裕のあった別の経路が、新しく終了日を決める経路になります。1か所を縮めたらもう一度どこが効いているかを見直す必要があり、これを忘れると「縮めたのに終わらない」が起きます。設問が「さらに短縮できるか」と聞いてくるときは、たいていここを見ています。
削るという選択肢を落とさない
1動かせるのは3つしかない
期間短縮する(費用か手戻りを払う)
↓どれかを動かさないと辻褄が合わない
費用・資源増やす(予算の承認が要る)
↓
範囲後回しにする・段階的に出す(合意が要る)見落とされやすい選択肢
実務でも試験でも、範囲を動かす案が最後まで検討されないことがよくあります。稼働に必須の機能と、後から足せる機能を分ける——この整理ができていれば、費用も手戻りも払わずに済む場合があります。
見抜きどころ
答案は「どの経路に効くか」「何を代償に払うか」「なぜその代償を選べるか」の3点で組みます。問題文の制約(予算は増やせない/品質は落とせない/稼働日は動かせない)が、そのまま選べない手段を消す材料になります。消去法の根拠を書けると強い解答になります。