午後Ⅱ論述 傾向分析

システムアーキテクト(SA)・ITストラテジスト(ST)・ITサービスマネージャ(SM)/実際に解いて分かった型

論述式には公式の模範解答がありません。採点者が見るのは「正解との一致」ではなく、能力と経験が伝わるかです。だからこそ"型"を知っているかで差がつきます。
このページは、SA・STの午後Ⅱ論述(平成26年度〜令和7年度)とSM(平成29年度〜令和7年度)を実際に通しで解いて見えた構造を、そのまま攻略法としてまとめたものです。

① 骨子は毎年ア→イ→ウの3部で不変

設問は毎年ア・イ・ウの3問。役割と字数が固定で、同じ題材で一貫させるほど高評価です(題材のすり替えは致命的)。SA・ST・SMのいずれも共通です。

設問ア 800字以内

概要・背景。事例の器をつくる。ここは簡潔に。

設問イ 800〜1,600字

中核の設計・企画・工夫。配点の山。字数はここに寄せる。

設問ウ 600〜1,200字

評価・課題・例外・改善。差がつく所。イと重複させない。

② 問題スロットが毎年固定

どの問題を選んでも、問番号ごとにテーマの"枠"が決まっています。まず自分の得意な枠を決められます。

区分問1問2問3
SA情報システム設計系
業務プロセス見直し/方式設計/要件定義/移行
情報システム機能系
データ交換/機能変更・追加/PoC
組込みシステム専用
アーキ設計/機能分割/OSS/自動化
ST事業・新サービス系
IT新事業/DX/ビッグデータ/グローバル
IT企画・戦略系
IT戦略/ビジネスモデル/業務分析で真因/構想
組込みシステム専用
製品企画/非機能要件/IoT/異業種協業
SM顧客・サービス設計系
顧客満足/SLA合意/事業関係管理/サービス継続/変更管理
運用現場の改善系
継続的改善/インシデント・障害管理/リリース及び展開/運用品質
―(SMは問1・問2の2問構成
組込み枠は元から無し

※ 問3は SA・ST では毎年「組込みシステム専用枠」。平成26〜令和5年の全年で一致しました。SM は収録した全年(平成29年度〜令和7年度)で問1・問2の2問(1問選択)で、問3はありません。

⚠️ 2024年(令和6年春)の制度改編に注意
午後Ⅱが 3問→2問 に減り、問3=組込み専用枠が消滅しました(令和6年春以降は問1・問2のみ)。ただしア/イ/ウの構造と字数は不変なので、ここで説明する型はそのまま新形式にも効きます。なお令和2年度はコロナで試験中止=欠番です。SM はもともと2問構成なので、この改編の影響を受けません。

③ 区分で「得点軸」が決定的に違う

同じ「問1・ア/イ/ウ」でも、SA・ST・SMでは評価される中身が別物です。ここを取り違えると刺さりません。

SA=技術設計の妥当性と実務経験

  • 設問イ:設計を具体的に(データ・機能・アーキ・移行方式)。
  • 設問ウ:正常系(イ)と重複しない課題・例外・移行・トレードオフ
  • 問3(組込み):機能分割・リアルタイム/リソース制約・安全性=技術的最適化

ST=事業インパクトと投資判断

  • 設問イ費用対効果を数字で(投資額と効果の対・複数案の比較でROI)。
  • 設問ウ経営者・事業部門の評価(どの数字を見て何を承認したか)。
  • 問3(組込み)製品戦略・事業性(誰に何の価値を売り収益化するか)。

SM=運用の管理設計と継続的改善

  • 設問ア:冒頭の記入フォームで対象ITサービスと自分の立場を宣言してから背景へ。
  • 設問イ:担当プロセス(変更/インシデント・問題/可用性/サービス継続/SLA運用)で、実施した施策・手順・体制を数値目標つきで。
  • 設問ウ指標で測って評価(SLA達成率・稼働率・MTTR・再発率など)し、残る課題と次の改善(CSI)へ。

④ 覚えるのは「3層のコツ」

  1. 毎年共通の型:自分の事例で書く/ア→イ→ウを同じ題材で一貫/イが配点の山/ウで差/設問要求を分解して段落数を合わせる/固有名詞で具体化。(SA・ST・SM 全区分・全年で不変)
  2. 区分・スロット固有の得点軸:上の③。(区分ごとに毎年安定)
  3. 問題固有の勘所:その年その問題ならではの罠。(1問ずつ実際に解かないと出てこない ↓)

⑤ 実際に解いて拾った「勘所」の例

⑥ よくある失点パターン

分析対象:SA 平成26年度〜令和7年度/ST 平成26年度〜令和7年度/SM 平成29年度〜令和7年度の午後Ⅱ論述。各年の解説ブックは一覧から読めます。